やまぐろ

罪と罰(ドフトエフスキー)感想

ドストエフスキー著、工藤精一郎訳の『罪と罰』を読了。部屋の掃除してたら大学生の時に友人に貰ったものが発見されたので、久しぶりに読んでみた。上下巻で1000ページほどの作品で読むのに時間がかかってしまったが、遂に読破。流石に一日で読みきるのは無理だった。 一応ミステリーというカテゴライズはされていないような気なするので、トリックのとこは0点にしてしまったけど、考えさせられる、と言う部分においてはではミステリーと同じなんじゃないだろうか。 作品紹介 この作品を一言で紹介するならば「殺人を犯した青年が心身共に追い詰められていく、道徳的ジレンマを描いた作品」といったところだろう。 しかしながら、その一言では語れない魅力があるのが本書『罪と罰』だ。 感想(少しネタバレあり) ストーリーの中心にあるのが殺人を犯した男の苦しみであることに間違いはない。 だが、その男の唯一と言える友人とのストーリー、家族とのストーリー、ある女性とのストーリーと、主人公ラスコーリニコフと関わる人物についての描写も濃く描かれており、なんとも捉えづらい。 言い換えればそれだけ自由のある作
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そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティ)感想

“ミステリの女王”の異名を持つアガサ・クリスティの有名作、”そして誰もいなくなった”。 自分がどうこう言わんでも、超有名作品だし、最高クラスに評価されている作品ではある。タイトルが秀逸だよなあ、名作はここからして違うわ。 20年ぶりくらいに読んだけれど意外とストーリー覚えてたから、やっぱり面白い作品なんだと思う。 作品紹介 イギリスで1937年に生まれた本作。 アガサ・クリスティの作品は数あれど、その中で最も世界中で売れている作品となっている。もちろん評価も高く、この作品に影響を受けたと言われる作品はとても多い。 本作はインディアン島という孤島に集められた10人が童謡に見立てた連続殺人事件に巻き込まれていく、という代表的なクローズドサークルの作品となっている。孤島、館、童謡殺人とミステリファン垂涎のシチュエーション。 特にこのジャンルが好きな人なら必読だ。 感想(少しネタバレあり) 結論から言えば、名作の評価に違わず、この作品は何度読んでも面白かった。読み始めたら、最後のページを捲るまで本を閉じることが出来ないくらい。 この作品はとにかく心情
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Ankerのハンディクリーナーがなかなかに良かった!

これまで使っていた乾電池式のハンディクリーナーの調子が悪くなってしまったので、そこそこ評判良さげなAnkerのハンディクリーナー「Anker Eufy HomeVac H11」を購入しました。 Ankerはモバイルバッテリーで有名ですが、最近はお掃除ロボットやプロジェクターなど、家電系も結構有名になってきた印象がありますね。 今回はこの製品の良い点、悪い点をレビューしていくので、購入を検討している方の参考になればと思います。 カラーがおしゃれ。充電中のライトとよく合う。 良いところ 軽くて取り回ししやすい まず、この製品の良い点は本体のサイズ感と軽さかと思います。 かなりスリムな形状で作られているので、手が小さな方でも取り回しがしやすいと思います。また、重さは616gと軽量なので、高いところを掃除すると気だったりに重さがさほど気にならないのが良いですね。 重さは616g。1kg以下であれば結構軽く感じると思う。 けっこうパワフル この製品の2つ目の良い点は、クリーナーとしての性能です。5500Paの吸引力があるので、机の周りのホ
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隻眼の少女(麻耶雄嵩)感想

麻耶雄嵩著『隻眼の少女』を読了。 刊行がスマホが流行り始めた2010年の作品と言うこともあり、表紙が結構近代的で(な気がする)、割と取っつきやすそうなイメージを持っていたが、期待通り読みやすい作品だった。 2010は自分はまだ大学生。年取ったなあ。 作品紹介 2011年度に日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞している作品。 やっぱり時代が新しめだからか、けっこう登場人物のキャラクター性が強く、特に探偵役である御陵みかげはインパクト大で覚えやすい。 観光当時、時代的にかなりラノベが流行っていた時代だったので、その流れを組んで美少女探偵というキャラクタを生み出したのかも。知らんけど。 感想(少しネタバレあり) 先に書いてしまったけれど、とにかくキャラクタの個性が強い作品。このキャラクタを好きになれるかどうかでだいぶ作品の評価が変わってくるのではないかと思う。探偵役に若い女の子を使ったのは近代的というかなんというか。 加えて文体も比較的柔らかいため、ミステリを手に取ったことの無い人の入り口には持ってこいなのではと感じた。 ミステリとして
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赤い森(折原一)感想

折原一著『赤い森』を読了した。この人の作品は雰囲気が独特でなんとも言えない狂気を感じるが、でこれも例に漏れず。森の中に佇む曰く付きの山荘を舞台にした、いかにもホラーな雰囲気は夏休みにうってつけだ。今はゴリゴリの冬だが。 作品紹介 著者の「樹海シリーズ」と呼ばれる作品群に新たに書き下ろした「赤い森」を加えた三部構成となっている。折原一はかなりハイペース且つ多くの作品を生み出しているが、その中でも比較的新しめの作品。 著者の作家でデビューが1988年とのことで、自分が生まれた時から作家として活動しづつけている。35年。すごい。 感想(少しネタバレあり) 折原一と言えば叙述トリック。しかし残念だが、本作においては、自分の予想を超えてくる面白さはなかったというのが正直な感想。 しかしながら章を追う毎に真相が分からなくなってくる、読者の不安を煽る構成は秀逸であり、著者らしい暗く歪な世界観を存分に味わえる作品だろう。 面白いか面白くないかで言うなら、面白い作品であると思うが、折原一の作品としての物足り感はやっぱり否めないか……という印象。 赤い
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モルグ街の殺人事件(エドガー・アラン・ポー)感想

史上初の推理小説として著名である、エドガー・アラン・ポー著『モルグ街の殺人事件』を読了。物語の真相にはかなり呆気をとられたが、それまでの推理シーンにはこだわりを感じたし(人物の素性などは細かく描かず、ひたすら事件の解明に焦点を当てている)、面白く読める作品だった。 作品紹介 先に述べてしまったけど、史上初のミステリ作品とされており、また史上初の密室殺人トリックを利用した作品として知られている。まさに原点として頂点。 そう言えばポケモンのサトシシリーズ終わるらしいけど、ピカチュウ今レベルいくつなんだろう。金銀のレッドは80だった気がするけれど。 感想(少しネタバレあり) 現代でこそ、この作品の真相は「そんなのあり!?」となるところだろうが、現場に残っている証拠から真相を導き出し、読者に驚きを与える結末が用意されているのは現代の推理小説と同じである。 1841年から現代まで様々な形で進化を遂げてきた、推理小説というジャンルの基盤を作り上げた彼の功績は計り知れない。ありがとうポー! ちょっと話が逸れるが、これだけ歴史のある作品を紙でなく、電子書籍で読めるのは結
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長い廊下がある家(有栖川有栖)感想

有栖川有栖の短編集『長い廊下がある家』を読了。短編集だし、ちょっとづつ読み進めていこうと思っていたが、結局購入当日に読み切ってしまった。なんだか勿体ない気もするが、それも面白い作品だったということで。 作品紹介 表題作の「長い廊下がある家」に加えて「雪と金婚式」「天空の眼」「ロジカル・デスゲーム」の計4作品を収録した短編集になっている。 表題作に加え、他作品もなかなかバラエティ豊かな印象となっており、どの作品も楽しい謎解きが見られるは同じ。どれか一つは受けるはずだ。 感想(少しネタバレあり) 全体的に完成度が高く、なかなか面白い作品が集められているという感想。 表題作の「長い廊下がある家」もなかなか大胆なトリックが使われていて面白いし、他の作品も楽しめるが、その中でも個人的に好きなのは一番最後に収録されている「ロジカル・デスゲーム」。 相当短い尺の作品ながら、ゲームに負ければ死ぬというスリリングさと、ゲームの提案者が見せた人間くささはインパクト大。これは一読の価値ありだ。 何というか、安心して読めると短編集だと思う。 長い廊下が
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ゼロの焦点(松本清張)感想

感想(少しネタバレあり) 戦後初期を舞台にしており、当時の雰囲気を感じさせてくれる作品。 『点と線』では政治的な暗い背景のもと事件が起きたが、社会派と称する、されるだけあり今作も同様に時代的背景を組んだ作品になっているように思う。 『ゼロの焦点』では女性視点でストーリーが展開されるが、この女性の心理描写が細かく面白かった。 登場人物の過去が影響している訳で、一概にこの時代の~とは言えないのかも知れないが、本作の女性たちは一様に自信を持っているように見えとても力強く映り、当時を知らない自分に”戦後間もない日本の女性たちは意志が強かった”という印象を植え付けるほど。 しかし力強さの裏には、自身の立場を守ることへの焦燥も垣間見る事ができ、この”自信”と”不安や焦り”の危うい心のバランスが本作の見所であり面白さであると思う。 言ってしまうと自分の祖父が好きだった著者の作品なので、昭和と平成のはざま世代の自分に取ってはかなり古い作品になってしまうのだけれど、名作は時代も超えるもの。 今の時代に読んでもしっかり面白い作品だった。 ゼロの焦点改版 (
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【ゆく年くる年】2022年の振り返りと2023年の展望

2022年が終わり、2023年がやってきました。 去年を振り返ると、ここ数年猛威を振るっているコロナウイルスとある程度共存できるようになったのが大きい気がしています。  仕事の部分ではリモートワークが一般化したことによって、仕事の状況を見て出社とリモートワークが切り替えられるという柔軟なワークスタイルが確立されました。 ケガの功名と言うには余りにも社会に与えたダメージは大きいですが、働き方を大きく変えたのは事実だと思います。 さて、ここからは自分自身の語りとなります。 2022年のできごと このブログが開設一年を迎え、それに合わせてぼちぼち収益化を始めました。正直なところ収益はほぼないものの、もうすぐサーバー代くらいは回収できる位にはなりました。 サーバー代でいうと、一年間を超えたあたりでサーバーのレスポンスが悪くなってきたので、amazon lightsailのプランを3.5ドルから5.0のプランに引き上げました。 少し運用費は上がってしまったものの、期待通りレスポンスは改善されたので満足して
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クラインの壺(岡嶋二人)感想

作品紹介 この作品を短く紹介するならば”バーチャルリアリティという刊行当時(1989年)は認知度が低かったSF要素を取り入れつつ、ミステリとしての完成度も随一である意欲作”というところだろう。 主人公が出版社宛に「ゲームブック」のシナリオを投稿したところ、「イプシロン・プロジェクト」というバーチャルゲームの制作会社から思わぬオファーを受けたことから本作は展開されていく。 大学4年生、働き口なし!という状況の主人公は喜々としてその話に乗り、結果としてバーチャルゲームの原作者兼テスターとして採用されることに。 プレイヤーとしてバーチャルゲームの再現性の高さを目の当たりにした青年は、次第にそのプロジェクトに心を奪われてゆくこととなる。 ところが、同じくテスターとしてプロジェクトに参加していた少女が突然失踪する所から物語は一気に暗転。主人公は「イプシロン・プロジェクト」に疑問を抱くようになり……これがストーリーの概要である。 感想(少しネタバレあり) 設定自体が当時としては斬新で楽しめるものになっており、今読んでもちゃんと面白い。 1989年という時代は現在の
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