誰彼(法月綸太郎)感想
作品紹介
著者の前作である「雪密室」から続く、小説家法月綸太郎シリーズの続編がこの『誰彼』だ。
本作は、表題が示す通り「誰が」という点にスポットを当てて描かれており、密室殺人の解に拘った前作とは毛色が違う作品になっている。
感想(少しネタバレあり)
この作品の面白さはジェットコースターさながらのストーリー展開にあると思う。
状況が目まぐるしく変化していくため、その都度探偵役の法月綸太郎が混迷し、当然読者も一緒に振り回される形になる。なかなか事件の真相が見えて来なく、常に先のページが気になる展開であるので、読者はいつの間にかストーリーに没入してしまう。
ただ人によっては、この作品にある変化の多さをやり過ぎだと感じてしまうかも知れない。どうしても繰り返し変化が起きると、人は飽きたり疲れたりしてしまいがちだ。
ジェットコースターを例にあげよう。ジェットコースターというのは乗っている間は楽しいアトラクションであるが、何度も繰り返して乗りたくはない乗り物ではないだろうか。
それは度重なる変化に、それまで面白いと感じていた身体が、変化に慣れてしまう事が原因であると