モルフェウスの領域(海堂尊)感想

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作品紹介

最先端医療ミステリーと謳っており、コールドスリープという、とっても心踊ってしまう題材を用いている本作。

コールドスリープ自体は割と見かけるネタだと思うが、この作品は扱い方が真剣、シリアスであるのが特徴となっている。

著者はチーム・バチスタの栄光という有名作品を書いている人なので、そちらを読んでいたりドラマを見たりして知っている人が多いかも。

この作品は医療にSF要素を取り入れているのがこれまでの作品と違うところで、面白い部分だ。

書籍情報

           
タイトルモルフェウスの領域
著者海堂 尊
出版社KADOKAWA
発売日2013年06月21日頃
商品説明桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリー!
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感想(少しネタバレあり)

当たり前と言っていいのかは良く分からないが、どうしてもコールドスリープというテーマ自体はリアリティに欠けるものではある。

しかしながら、本作はコールドスリープに関する設定がしっかりしており、考え方も力強く、読者としても考えされらるテーマがある。

著者が医療関係者というのも説得力を生む要因か。特に人権の話はとても興味深く惹きつけられた。

ストーリーに関して。

言ってしまえば主人公の一人舞台的なストーリー。そうなると当然主人公の行動一つ一つが重要になってくる。

本作では最初から最後まで主人公のらしさを一貫してくれたお陰で作品の重みが出てくるいうか何というか、結末はしっくりきたように感じている。

スルーされた伏線なんかがあったりするが、本作の「コールドスリープ」のルールに則ればそれは敢えてなのだろう。

……なんて、読後あれこれ考えてしまうのはこの作品が魅力的であるが故。

頭に残るタイプの作品だ。

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