モルフェウスの領域(海堂尊)感想

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作品紹介

最先端医療ミステリーと謳っており、コールドスリープという、とっても心踊ってしまう題材を用いている本作。

コールドスリープ自体は割と見かけるネタだと思うが、この作品は扱い方が真剣、シリアスであるのが特徴となっている。

著者はチーム・バチスタの栄光という有名作品を書いている人なので、そちらを読んでいたりドラマを見たりして知っている人が多いかも。

この作品は医療にSF要素を取り入れているのがこれまでの作品と違うところで、面白い部分だ。

感想(少しネタバレあり)

当たり前と言っていいのかは良く分からないが、どうしてもコールドスリープというテーマ自体はリアリティに欠けるものではある。

しかしながら、本作はコールドスリープに関する設定がしっかりしており、考え方も力強く、読者としても考えされらるテーマがある。

著者が医療関係者というのも説得力を生む要因か。特に人権の話はとても興味深く惹きつけられた。

ストーリーに関して。

言ってしまえば主人公の一人舞台的なストーリー。そうなると当然主人公の行動一つ一つが重要になってくる。

本作では最初から最後まで主人公のらしさを一貫してくれたお陰で作品の重みが出てくるいうか何というか、結末はしっくりきたように感じている。

スルーされた伏線なんかがあったりするが、本作の「コールドスリープ」のルールに則ればそれは敢えてなのだろう。

……なんて、読後あれこれ考えてしまうのはこの作品が魅力的であるが故。

頭に残るタイプの作品だ。

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