フリークス(綾辻行人)感想

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書籍情報

           
タイトルフリークス
著者綾辻 行人
出版社KADOKAWA
発売日2011年04月23日頃
商品説明「J・Mを殺したのは誰か?」-巨大な才能と劣等感を抱えたマッドサイエンティストは、五人の子供に人体改造術を施し、“怪物”と呼んで責め苛む。ある日、惨殺死体となって発見されたJ・Mは、いったいどの子供に殺されたのか?小説家の「私」と探偵の「彼」が謎に挑めば、そこに異界への扉が開く!本格ミステリとホラー、そして異形への真摯な愛が生みだした、歪み真珠のような三つの物語。
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「館シリーズ」で有名な綾辻行人が描いたサイコ系ミステリー。

本書は精神病棟を舞台にした、「夢魔の手 ― 三一三号室の患者 ―」「四〇九号室の患者」「フリークス ― 五六四号室の患者 ―」の三作が収録された連作推理小説として刊行されており、どれもなかなか読み応えがあるというお得感溢れる一冊に仕上がっている。

一本目の「夢魔の手」は、約80ページほどの短い尺が良く生きていた。次々と裏返される物語の真実に、読者は常に頭をかき回されるはず。ラストも短編らしくストンと落ち、ページ数と内容のバランスが取れている印象を受けた。

続いて、二作目の「四〇九号室の患者」については、やり過ぎ感が否めないものの、意外性はなかなか。こういった舞台のストーリーでは定番のオチかも知れないが、面白く読めたので別に良し。

三作品どれも面白く感じる部分はあるはずなので、移動時間なんかにどうぞ。

最後に三作目、表題作の「フリークス」。サイコでぶっとんだ設定の割に、以外と真面目に謎解きしたりする変な(?)作品ではあるが、本格ミステリを書いてきた著者らしさを一番感じたのはこれ。誰でも読みやすく、ミステリーファンの入り口を広げられる力があるのではないだろうか。

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