黒猫館の殺人(綾辻行人)感想

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書籍情報

タイトル黒猫館の殺人〈新装改訂版〉
著者綾辻 行人
出版社講談社
発売日2014年01月16日頃
商品説明大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実と江南孝明は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!?シリーズ屈指の大仕掛けを、読者は見破ることができるか?
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目次

作品紹介

綾辻行人による長編シリーズ作品、通称「館シリーズ」の第六作目が本作「黒猫館の殺人」だ。記念すべき第一作目の「十角館の殺人」が1987年9月刊行となっており、本作は1991年9月刊行なので、この時点で4年続いているシリーズとなる。冷静に考えると一年に1.5冊のペースで出ているのか。すげえ。長編シリーズなんだよなあ。。

あらすじについてはwikiをそのまま載っけておきます。

1990年6月、稀譚社の編集者である江南孝明のもとに一通の郵便物が届く。差出人は鮎田冬馬。内容は「鹿谷先生とお会いし、お話をお聞きしたい」というものだった。鮎田から電話がかかり、話を聞くと2月に滞在していたホテルが大火災に会い、その影響で記憶喪失になっているという。現在は自身が書いたと思われる手記に書かれた名前しか知らない。鮎田は去年の9月まで「黒猫館」という家の管理人をしていたらしい。そしてその黒猫館を設計したのが中村青司だと聞き、江南は胸騒ぎを感じた。彼が設計した建物は数々の悲惨な事件が起こり、自身も数多くの友人を失ったり、事件に巻き込まれたりしたからである。

江南は友人で推理作家の鹿谷門実に連絡を取り、手掛かりとなる手記を読むことに。そこには「黒猫館」で彼が遭遇した殺人事件が綴られていた。謎を追うべく、彼らは札幌、阿寒へ向かう。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/黒猫館の殺人

感想(少しネタバレあり)

前作『時計館の殺人』に比べてややパンチに欠けるというのが正直な印象ではあるが、今作においても面白さは健在で、過去作にはない驚きを提供してくれている。(ここまで館シリーズに触れてきて、登場人物に愛着が湧き始めたのも面白さの要因であるかも知れないが)

今作で特徴的なのは、人里離れた森の中にある通称「黒猫館」で殺人事件が起きていながら、殺人犯への追及が控えめであった所であろう。事件の謎を追うと言うより、「黒猫館」についての謎を追う形になっているのだ。

もう少し詳しく言おう。本作の事件パートは、記憶を失った老人の手記からなっている。この手記で書かれていることと、事件後の「黒猫館」の相違点を明かすことに重きが置かれているのだ。

犯人がどう上手く殺人を行ったか、言い換えれば犯人がどう上手く読者を欺いたかというよりも、著者がどのように読者を欺くかという作品。最後の最後にきちっと驚きを用意してくれているし、そこまで辿り着くまでの推理パートはなかなかのもの。

それと、著者が提供した驚きについてもう一つ。これは読み終わってからで無いと読み流してしまうようなメッセージであると思う。

あらすじにこんな事が書かれているのだ。6つめの「館」へのご招待――自分が何者なのか調べて欲しい。~(以下略)館シリーズをここまで読んできた方なら「やられた!」と思うはず。やはり館シリーズは面白い。

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