月光ゲーム Yの悲劇’88(有栖川有栖)感想

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取っ付きやすさ:
トリック:
ストーリー:

登場人物がめっちゃ多いクローズドサークル。著者の学生アリスシリーズ一作目。すごく読みやすいんだけど、登場人物を把握するのが大変でページを進んだり戻ったりする羽目に。。

まあでも面白いのは間違いない。

書籍情報

           
タイトル月光ゲーム
著者有栖川有栖
出版社東京創元社
発売日1994年07月15日頃
商品説明夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々-江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく…。いったい犯人は誰なのか。そして、現場に遺されたyの意味するものは何。
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目次

感想(少しネタバレあり)

この『月光ゲーム』はとにかく各キャラクタの事件に対する意見がよく飛び交い、読者の持っている考えを二転三転させてくれたように思う。

主人公が所属する推理研究会のメンバーたちは海外の大物作家が用いたロジックを引用して語ったりするわ、やたら詳細なミステリ談義もするわで、とにかく説得力が強いメンバーたち。

今作では他の大学と一緒に事件に巻き込まれているので、その手のネタには詳しくない人物が寧ろ多いのだが、臆すること無く自分の意見をぶつけていていく。

様々な角度から推理が行われ、これがエキサイティングで面白い。

誰の考察においてもある程度納得してしまう部分があるので、読者の考えも行ったりきたりしてしまうわけだ。

10人を超える大人数で和気藹々と、それこそ学生らしい楽しみ方をしていた彼らに起きる悲劇。

小説として面白いのはもちろんのこと、読んだ後は少しミステリについての知識が身についた気になれるというお得感満載(?)の作品なので、読んでみて欲しい!

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