孤島パズル(有栖川有栖)感想

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私情ですが自分は今日から夏休みに入りました。

今更かよって感じではあるけれど、夏場のクソ暑い時期に出歩くよりかは今の方が快適なので、まあ良かったのかも。

目次

作品紹介

有栖川有栖の長編シリーズ「学生アリス」の2作目。

前作月光ゲームに続き、クローズド・サークルとなっており、舞台はタイトルの通り。

クローズド・サークル、嵐の孤島ものとか言われるジャンルが好きな人は必読。

書籍情報

           
タイトル孤島パズル
著者有栖川有栖
出版社東京創元社
発売日1996年08月
商品説明紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休みー旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。
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感想(少しネタバレあり)

単純明快なタイトル通りの孤島でパズル=事件の謎を解くという王道シチュエーション。

でも味付けは大分濃く、本格的な推理をしつつキャラクタたちの青春の一ページを楽しむ事ができる。面白い。

中身の部分では、主人公一行を孤島に導き事件に巻き込む引き金となったと言える「モアイ像の謎」。

これがとても良い。

よくこんな事を思いつくなあ、という感じで、まさにパズルのような、一つ一つの細かいピースが大きい事象を形成していく。

それにしても、まさか地図がトランスフォームするとは……完成度の高さに素直に驚いた。すげえ。

仕掛け好きな人ならこれだけでも充分満足できるのでは。

もちろん、肝心の事件発生から犯人推理までの流れも面白い。

ところどころにフェイクがあるので、終盤に差し掛かる辺りまでは、犯人はこの人だろう、という予想も難しい。

少なくとも自分は終盤の事件発生まで、二人以下に絞る事が出来なかった。くやしい。

犯行の動機がありそうな人物が何名かいるので、「誰だ、どいつだ?」と先が気になってしまう。没入感高し。

作者が作中で言う通り、終盤で犯人がなんとなく判ったとしてもパズルを完成させて推理をするのは難しい。

与えられた情報をもとに推理をする、ミステリの醍醐味を味わえる作品だった。

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