ロートレック荘事件(筒井康隆)感想

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作品紹介

ロートレック荘事件は、「時をかける少女」で有名な筒井康隆氏のミステリ作品だ。元々SF作家として有名であり、ミステリ畑では多くの作品を書いている訳ではないものの、多くの人が本作「ロートレック荘事件」を秀逸なミステリとして評価していたりする。

面白い作品を作れる人はどんなジャンルでもいけてしまうのか!?

書籍情報

タイトルロートレック荘事件
著者筒井 康隆
出版社新潮社
発売日1995年02月
商品説明夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。
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感想(少しネタバレあり)

事故で体が成長しなくなった(下半身が不自由になった)男と、その原因となった男。加害者となってしまった男は、自分の過ちが奪った、友人の「支え」となる決心をし、現在まで交流が続いている、と言う。

その回想後、二人と共通の友人である工藤は、事件の舞台となるロートレック荘に出向くことになる。

……と軽くストーリーの概要を書いたものの、上記の解釈はこの作品を楽しむ上では間違っている。

プロローグ、次章を読んだ時点で、概要を自分の中でまとめて、上記のようになったらのであれば、その人はこの作品を心から楽しむ事は出来ないのかも知れない。

まあそれはさておき、この作品の本当の見どころは、男二人の友情、綻び、そして悲劇にある。

プロローグから見て分かるとおり、一生を捧げて友を支え続ける男と、友が原因で体が不自由になっているのに、恨むこと無く友人であり続ける男。しかも、そうなったのは10年以上も前。

物語が始まるときにはお互いが、お互いの最大の理解者であることだろう。

だが、お互いの強い依存が、ほんの小さな綻びを広げ、結果として悲しい結末を生んでしまう。

そう、この物語のトリックはどう考えても成立しない。

足が不自由になった男、浜口重樹が車で遠出するのに、友を一生不自由にさせた、いや、自由を捧げ続けようとした男、浜口修が同行しない筈はないのだ。

そう考えると、このトリックは最高に面白い。最後まで読み、見事に騙され、悔しくなって読み返す。そうすると、プロローグで答えが出ている。ラストまで読んだなら尚更だ。

ああ、最初から騙されていたんだなあ、と。

なんか話がまとまらないが、やっぱり売れっ子作家はすごい。この作品もやっぱりすごい。以上!

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